「バットを内側から出せ」と言われても、何をどうすればいいかわからなかった。
そんな悩みを抱えたまま、私は小学生から高校まで野球を続けました。今思えば、あの頃の私はドアスイングだったんです。でも当時は、そもそもドアスイングが何なのかすら、よくわかっていなかった。
この記事では、私自身がドアスイングに気づいた経緯と、原因・影響について私なりの考えをお話しします。指導者目線ではなく、同じように悩んだ経験者の話として読んでもらえたら嬉しいです。

ドアスイングが治ったのは、社会人になって、スイングの研究をするようになってからです。治ったいまでもドアスイングで振ることができます。そんな私のドアスイングについてのあれこれを書いてみました。
そもそもドアスイングって何?
ドアスイングとは、バットが体から離れた軌道を通るスイングのことです。ドアを開けるような弧を描くように外側からバットが出てくるため、こう呼ばれています。

左が内側からバットが出ており、右の写真がドアスイングになっているときのものです。
2枚の写真を比べると、グリップの位置がほとんど同じですが、バットのヘッドが右の写真のほうが早く体から離れてしまっています。これがヘッドが遠回りするドアスイングです。
少年野球でよく「バットを内側から出せ」と言われるのは、このドアスイングを防ぐためです。

私が高校生の頃は、懐を作ってそこを通せと言われました。
指導者もいろんな言い方で伝えてくれているかと思います。
気づいたのは、チームメイトの一言だった
まず最初に、私がドアスイングに気づいたきっかけの話をさせてください。
自分では、まったく気づいていませんでした。感覚としては「ちゃんと振れてる」んです。ブンッと言う音もする。むしろ、内側から出そうと意識しているつもりだった。なのに打てない。何がいけないのかわからない。そのまま何年も過ぎていきました。
指摘してくれたのはチームメイトでした。「お前のスイング、外からバットが出てるぞ」と言われたとき、正直ピンとこなかった。でも、その一言が自分のスイングを見直すきっかけになりました。
自分では気づけない。これがドアスイングの一番厄介なところだと思います。
「ドアスイングだぞ」と言われても、どこがどうドアスイングなのか、感覚ではわからない。だから何年経っても治らない。私がまさにそうでした。
ドアスイングになる原因
⚠️ ここからは私の実体験と独自の考えをもとにした内容です。指導者や専門家の見解とは異なる場合があります。あくまで「こんなふうに考えている人もいるんだな」という参考程度に読んでいただけると幸いです。
自分のスイングを振り返ると、原因は大きく3つあったと思っています。
① ダウンスイングを意識しすぎていた
小学生の頃から「上から叩きつけろ」と言われ続けた影響で、常に上から叩くイメージでバットを振っていました。これがバットを外側から入れる動きにつながっていたんだと思います。
② 体の回転の仕方がわからなかった
体を回転させてバットを振る、というのは言葉ではわかる。でもどこをどう回せばいいのか、感覚がまったく掴めていませんでした。結果として、体の回転を使えないまま手だけでバットを振るクセがついていきました。
③ 手で打つ意識が大きすぎた
体の回転が使えないから、どうしても手でバットを操作しようとする。手でバットを動かそうとすると、自然とバットが体から離れた軌道を通るようになります。これがドアスイングの正体でした。
この3つが組み合わさって、私のドアスイングは完成していたんだと思います。
その他、一般的に言われている原因
私の実体験以外にも、調べてみるといくつか原因が挙げられていました。
- グリップが背骨から離れるほどバットが遠回りする(体を後ろに倒したり巻き込む動き)
- 肩甲骨・胸の動きが十分でない、体重移動が不足して軸足回転になっている
- バットのヘッドが下がった状態でスイングしている(少年野球ではバットが重すぎる場合にも起きやすい)
- バックスイングからバットを振り出すまでの「間」が作れていない
ドアスイングが打撃に与える影響
⚠️ こちらも私の実体験・持論を含みます。すべての選手に当てはまるわけではありませんので、参考程度にご覧ください。
ドアスイングは、打撃にこれだけの悪影響を与えます。
スイング自体への影響
- 回転半径が大きくなり、スイングスピードが遅くなる
- ヘッドが遠回りして振り遅れや詰まりにつながる
- バットがしなるようなスイングができなくなる
打球・コースへの影響
- 内角球をさばけなくなる
- 流し打ちで力が伝わらない
- ボールの外側を打つため、打球が引っ張りがち
クセとして定着する影響
- 手で打つ意識が強いため、バットをこねるようになりがち
- インコースを打つのが苦手になる
私自身、高校時代に「内側から出せ」と言われながらもできなかったのは、このドアスイングによる悪影響がそのまま出ていたんだと思います。
「ダメだ」と言うだけでは、何も変わらない
ここからは、お子さんを持つ親御さんや、少年野球の指導者の方に向けて書かせてください。
私の経験を振り返って、一番もったいなかったと思うことがあります。それは、誰も一緒に解決しようとしてくれなかったことです。
「ドアスイングだぞ」「内側から出せ」——言葉はもらった。でも、それだけでした。どこがどうダメなのか、どうすれば直るのか、一緒に考えてもらったことは一度もなかった。
そして何より伝えたいのは、本人だって好きでドアスイングになっているわけじゃないということです。自分では気づけないから、直せないでいるだけ。わかっていたら、とっくに直しています。
「なんでできないんだ」ではなく、「なんでできないんだろう、一緒に考えてみよう」——その一言が、子供のバッティングを変えるきっかけになるかもしれません。
まずは動画で撮影してみてください。本人に自分のスイングを見せるだけで、「あ、こうなってたのか」と気づくことがあります。言葉で伝えるより、映像で見せる方がずっと早く伝わることも多い。
「ダメだ」と言うだけでは何も変わりません。でも、親身になって一緒に取り組めば、必ず変わります。私自身が、大人になってからでも変われたので。
ドアスイングの具体的な改善方法については、別の記事で詳しく書いています。ぜひそちらも参考にしてみてください。


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