① 素振りはなぜ大切なの?
野球を始めたばかりのお子さんを持つ親御さんから、こんな声をよく聞きます。
「練習には行っているけど、家で何かできることはないかな?」
そのお悩み、素振りで解決できます。
素振りはバットさえあれば、自宅でひとりでできる練習です。しかも、バッティングに必要な基礎のほぼすべてが素振りで身につきます。
- スイングのスピード
- バットの軌道
- 体の回転の使い方
- タイミングの感覚
プロ野球選手でも、素振りを欠かさない選手は数多くいます。イチロー選手が現役時代に素振りを大切にしていたことは有名な話です。
初心者こそ、早いうちから素振りの習慣をつけることが上達への一番の近道です。毎日少しずつでも続けることで、体にスイングが染み込んでいきます。
「とにかく早く上手くなってほしい」と思う親御さんも、「野球楽しいけど何から練習すればいいかわからない」というお子さんも、まずは素振りから始めてみましょう!
② 素振りを始める前に揃えるもの
素振りを始めるにあたって、まず必要なものを確認しておきましょう。
バット
当然ですが、最も大切な道具です。ここで注意していただきたいのがバットの重さです。
初心者のお子さんにありがちなのが、重すぎるバットを使ってしまうこと。重いバットを無理に振ると、正しいフォームが身につかないどころか、体への負担にもなります。
学年別のバットの重さの目安
| 学年 | 重さの目安 |
| 小学校低学年 | 400〜500g |
| 小学校高学年 | 500〜600g |
| 中学生 | 600〜700g |
「少し軽いかな?」と感じるくらいがちょうどいいです。正しいフォームでしっかり振り切れる重さを選びましょう。
おすすめのバットについては、別記事で詳しく紹介予定です!
素振り用バット(あると便利
通常のバットとは別に、素振り専用の重いバットを使うトレーニング方法もあります。重いバットで素振りをすることで筋力アップや、通常バットを持ったときのスイングスピードアップが期待できます。
ただし初心者のうちはまず普通のバットでフォームを固めることが最優先です。素振り用バットはフォームが安定してきてから取り入れましょう。

小学生の間はマスコットバットは必要ありません。身体が出来上がってきた中学2年ぐらいから準備してもよいでしょう。ですが、最近はJr.用の技術向上用のトレーニングバットも出ています。そういった練習ギアは技術向上のために取り入れていってもよいでしょう。
手袋(バッティンググローブ)
必須ではありませんが、素振りを毎日続けると手にマメができやすくなります。バッティンググローブをつけることで手を保護しながら、グリップも安定します。
③ 正しい素振りの基本フォーム
素振りで大切なのは「たくさん振ること」よりも「正しいフォームで振ること」です。間違ったフォームで何百回振っても、悪い癖がつくだけになってしまいます。
初心者がまず意識すべきポイントを、シンプルに4つに絞りました。
ポイント① 構え(スタンス)
- 足は肩幅より少し広めに開く
- 膝を軽く曲げ、体重は両足均等に乗せる
- 上体はリラックス、力を入れすぎない
- バットは耳の横あたりに構える
よくある失敗:力みすぎて肩に力が入っている状態。「ふわっと構える」イメージが大切です。

子供が楽しく素振りできるように、プロ野球選手の構えを真似するのも楽しいですよね。その中から自分に合う構えも見つかるかもしれません。
ポイント② グリップ(握り方)
- 両手をぴったり合わせて握る
- 握るのは「指の付け根」あたり
- 力いっぱい握らず、6〜7割の力感でOK
よくある失敗:ギュッと握りすぎてしまうこと。強く握るほどスイングスピードは落ちます。
ポイント③ スイング
- 下半身(腰)の回転からスイングをスタートする
- 腕だけで振らず、体全体を使って振る
- バットはできるだけ水平に、レベルスイングを意識する
- 振り終わりは両手がしっかり前に出ている状態で
よくある失敗:腕だけで振ってしまう「手打ち」。腰から動かす意識を持ちましょう。
ポイント④ フォロースルー
- 振り切った後、バットが背中側までしっかり回っているか確認
- 途中でスイングを止めない
- 体重は投手側の足(前足)にしっかり乗っているか確認
よくある失敗:途中でスイングが止まってしまうこと。最後まで振り切ることで、自然とスイングスピードが上がります。
④ 家でできる素振りメニュー
正しいフォームが確認できたら、次は実際に振り込んでいきましょう。ただし「とにかくたくさん振ればいい」というわけではありません。初心者のうちは質を重視した無理のないメニューが大切です。
基本の素振りメニュー(毎日)
| タイミング | 内容 | 回数 |
| 朝または夕方 | ゆっくり正しいフォームを確認しながら素振り | 20〜30回 |
| 慣れてきたら | 少しスピードを上げて振る | 20〜30回 |
合計50〜60回を目安にスタートしましょう。
最初から100回、200回と頑張りすぎると、フォームが崩れたり体を痛めたりする原因になります。まずは毎日続けることを最優先に考えてください。
室内でやる場合の注意点
「庭がない」「スペースがない」というご家庭でも素振りはできます。ただし室内で行う場合はいくつか注意が必要です。
- 天井の高さを確認する バットを振り上げたときに天井にぶつからないか必ず確認しましょう
- 周りのスペースを確保する 半径2メートル程度のスペースを確保してから振り始めましょう
- 素振り用の短いバットを使う 室内専用の短めのバットを使うと安全です
続けるためのコツ
素振りは「習慣化」が何より大切です。続けるためのコツを3つご紹介します。
- ① 時間を決める 「夕食前に必ず素振りをする」など、生活リズムの中に組み込むと習慣になりやすいです
- ② 回数より毎日 100回を週2回より、30回を毎日の方が断然効果的です
- ③ 記録をつける カレンダーに「今日やった!」とシールを貼るだけでも、子どものモチベーションが上がります

私はいつも夕食前に行っていました。
⑤ 素振りを有意義にする3つのポイント
「毎日素振りしているのになかなか上手くならない…」
そんな場合、ただ漠然と振っているだけになっているかもしれません。素振りは意識の持ち方ひとつで効果が大きく変わります。
ポイント① 毎回テーマを決めて振る
「今日はフォロースルーを意識する」「今日は腰の回転だけ考える」というように、1回の素振りに必ずテーマを設定しましょう。
全部を一度に意識しようとすると、どれも中途半端になってしまいます。初心者のうちは1回につき1つだけ意識することが上達の近道です。
ポイント② 映像で自分のフォームを確認する
スマホで素振りを撮影して、自分のフォームを客観的に確認しましょう。自分では「ちゃんと振れている」と思っていても、映像で見ると全然違うことがよくあります。
親御さんが撮影係になって、週に1回フォームチェックをする習慣をつけると効果的です。「先週より腰の回転がよくなったね!」という一言が子どものモチベーションにもつながります。
ポイント③ 実際のピッチャーをイメージして振る
ただバットを振るのではなく、「ピッチャーが投げてきた球を打つ」イメージを持って振ることが大切です。
- ピッチャーの投球フォームをイメージする
- ボールがリリースされるタイミングを想像する
- 「打つ!」という瞬間を意識してスイングする
このイメージを持つだけで、素振りの質が全然変わってきます。試合で実際にバットが振れるのは、この積み重ねがあってこそです。
⑥ 親としての関わり方
「子どもが素振りをやりたがらない」「続かない」というお悩みを持つ親御さんも多いと思います。実は、素振りを続けられるかどうかは親御さんの関わり方が大きく影響します。
一緒にやってみる
「素振りしなさい」と言うだけより、親御さんが一緒に素振りをする方が子どものやる気は断然上がります。
子どもは親の背中を見ています。親御さんが楽しそうに素振りをしている姿を見せることが、何より効果的なモチベーションアップになります。

一緒にバットを振るだけではありません。私の母親は、虫取り網の棒の先に軍手を付け、それボールに見立ててボールの軌道を再現してもらって振っていました。
一緒に素振りをする方法はたくさんあります。
褒めることを意識する
初心者のうちは、フォームが崩れていることの方が多いです。ついつい「違う!そうじゃない!」と指摘したくなる気持ちはわかりますが、まずはできていることを褒めることを意識しましょう。
- 「昨日より振り切れてるね!」
- 「腰の回転、よくなってきたじゃないか!」
- 「毎日続けてるの、すごいな!」
小さな成長を言葉にして伝えてあげることが、子どもの自信につながります。
動画を一緒に見る
撮影したフォームの動画を、親子で一緒に見る時間を作りましょう。
「ここがよくなったね」「ここをこうしてみよう」という会話が生まれ、親子のコミュニケーションにもなります。野球の練習が親子の時間になれば、子どもにとって素振りが楽しい時間に変わっていきます。
無理強いはしない
毎日続けることは大切ですが、疲れているときや気乗りしない日は無理強いしないことも重要です。
「今日はお休みでもいいよ」と言える余裕が、長続きの秘訣です。野球を嫌いにさせてしまっては本末転倒。楽しく続けることを最優先に考えましょう。
⑦ まとめ:素振りは野球上達の一番の近道
今回の内容を振り返ってみましょう。
- 素振りはバットひとつで自宅でできる最強の練習
- まずは体に合った重さのバットを選ぶことが大切
- 正しいフォームの4つのポイントを意識して振る
- 毎日50〜60回、無理なく続けることが最優先
- テーマを決めて・動画で確認・イメージを持って振ると効果が上がる
- 親御さんの関わり方がお子さんのモチベーションを左右する
素振りは地味な練習に見えますが、バッティングの土台はすべてここで作られます。毎日コツコツ続けた選手が、試合で結果を出せる選手になっていきます。
最初は「めんどくさい」と感じるお子さんもいるかもしれません。でも親御さんが一緒に楽しみながら取り組むことで、素振りが親子の大切な時間に変わっていきます。
まずは今日から、30回だけ振ってみましょう。その一振りが、お子さんの野球人生の大きな一歩になるはずです!




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