① グリップってそんなに重要なの?
バットを選ぶとき、長さや重さ・素材・バランスには気を配る方が多いですが、意外と見落とされがちなのが「グリップ」です。
実はグリップの太さや形状は、スイングスピード・パワーの伝わり方・手への負担など、バッティングのあらゆる面に影響を与えます。
同じバットでもグリップが違うだけで、全く別のバットのように感じることもあります。プロ野球選手がグリップにこだわるのも、そのためです。
この記事では、グリップの太さ・形状・テープの巻き方まで、バット選びに役立つグリップの知識を徹底解説します。
| 💡 グリップとは:バットの持ち手部分のことです。グリップエンド(バットの根元の膨らみ)からバレル(打球部)にかけての細い部分を指します。 |
② グリップの太さの違い
グリップの太さは主に「細め・普通・太め」の3種類に分類されます。手の大きさやスイングスタイルによって、最適な太さが変わります。
細めグリップ
- 手首のスナップが使いやすく、スイングスピードが上がりやすい
- バットコントロールがしやすく、ミート率が上がりやすい
- 長時間握ると手が疲れやすい
- 手の小さい選手・ミート重視の選手・俊足系の選手に向いている
普通グリップ
- 細め・太めの中間でバランスが取れている
- オールラウンドに使いやすく、初心者にも扱いやすい
- 迷ったらまず普通グリップから試すのがおすすめ
太めグリップ
- しっかり握れるためパワーをボールに伝えやすい
- 手への衝撃が分散されるため、手が疲れにくい
- スイングスピードはやや落ちる傾向がある
- 手の大きい選手・パワーヒッター・手が痛くなりやすい選手に向いている
| 項目 | 細め | 普通 | 太め |
| スイングスピード | ◎ 上がりやすい | ○ 標準的 | △ やや遅くなる |
| パワー伝達 | △ やや弱い | ○ 標準的 | ◎ 強い |
| 手への負担 | △ 疲れやすい | ○ 標準的 | ◎ 負担が少ない |
| おすすめ対象 | ミート重視・俊足系 | 万能・初心者 | パワーヒッター |
| ⚠️ 注意:グリップが細すぎると力が入りすぎてスイングが硬くなる場合があります。太すぎると手首の動きが制限されスイングスピードが落ちることも。自分の手の大きさに合った太さを選ぶことが大切です。 |
③ グリップの形状の違い
グリップの太さだけでなく、形状(シェイプ)もバッティングに影響します。主に3つの形状があります。

ストレート型(通常)
グリップ部分が均一な太さになっているタイプです。最もオーソドックスな形状で、多くのバットに採用されています。
- どんな握り方にも対応しやすい
- 初心者から上級者まで幅広く使える
- 特定のスイングスタイルへの特化はない
フレア型(カップ型)
グリップエンドに向かって広がる形状です。別名「タイカップ型」とも呼ばれます。
- グリップエンドが広いため、バットが手から抜けにくい
- しっかり握れるためパワーをボールに伝えやすい
- カウンターバランスのバットに多く採用されている
| 💡 タイカップ型とは:かつてのMLB選手タイ・カップが好んで使用したグリップ形状が由来です。グリップエンドが広がった形状で、現代でも多くの選手に愛用されています。 |
パックノブ型
グリップエンドがアイスホッケーのパックのように大きく丸く膨らんだ形状です。近年メジャーリーグで流行しており、日本でも注目されています。
- グリップエンドが大きいため重心が手元寄りになり、バットの操作感が高まる
- 手の感度・操作性が上がりアジャスト能力が向上する
- 試合前の感覚調整用として使う選手も多い
| 💡 使用しているプロ選手:WBCのアメリカ代表として活躍したアレナド選手・ゴールドシュミット選手・ラーズ・ヌートバー選手が使用して一気に有名に。日本人メジャーリーガーの吉田正尚選手・鈴木誠也選手も練習用として使用しています。Amazingの「ペンタゴン(PENTA5ON)」はこのパックノブ型を採用した練習ギアで、スイング速度・ミート力の向上に特化しています。 |
④ バランスとグリップの関係
バットのバランスとグリップには密接な関係があります。(※バランスの詳しい解説は別記事「野球バットのバランスとは?」をご覧ください)
ヘッドバランス × 細めグリップ
ヘッドバランスのバットはグリップ部分が軽いため、グリップが細めになる傾向があります。ヘッドの遠心力を最大限活かすため、手首のスナップが使いやすい細めグリップとの相性が良いです。プロ選手はグリップテープを重ね巻きして好みの太さに調整することも多いです。
カウンターバランス × 太めグリップ
カウンターバランスのバットはグリップ寄りに重心があるため、グリップ部分が太めになる傾向があります。しっかり握ってパワーを伝える打撃スタイルと相性が良いです。フレア型(タイカップ型)のグリップが採用されることも多いです。
ミドルバランス × 普通グリップ
ミドルバランスのバットは普通グリップとの相性が最も良いです。バランス・グリップともに中間的な特性を持つため、オールラウンドに使いやすい組み合わせです。
⑤ グリップテープの種類と巻き方
グリップテープを変えるだけで、同じバットでも握り心地が大きく変わります。消耗品なので定期的に交換することも大切です。
素材の種類
- ウレタン系:クッション性が高く手への衝撃を吸収しやすい。初心者におすすめ
- レザー系:耐久性が高くしっかりした握り心地。上級者に人気
- ポリウレタン系:滑りにくく汗をかいても安定したグリップ感を維持
- メッシュ系:通気性が高く夏場に最適
厚さの違い
- 薄め:バットの感触がダイレクトに伝わる。打球感重視の選手向け
- 厚め:クッション性が上がり手への衝撃を吸収。手が痛くなりやすい選手向け
- 重ね巻き:2枚重ねて巻くことでグリップを太くしてバランスも調整できる
巻き方のポイント
- 右打者は右巻き(時計回り)、左打者は左巻き(反時計回り)が基本
- 引っ張りすぎず、均一な力で巻くとしわになりにくい
- グリップエンド側から巻き始め、バレル方向に向かって巻いていく
- 仕上げにフィニッシングテープでしっかり固定する
| ✅ 物欲パパより:グリップテープは消耗品ですが、意外と交換しない方が多いです。滑りを感じたり、テープが浮いてきたりしたらすぐに交換しましょう。新品のテープに交換するだけでバットが生まれ変わったように感じます! |
⑥ プロ野球選手のグリップへのこだわり
プロ野球選手はグリップに強いこだわりを持っている選手が多いです。
グリップテープの重ね巻き
ヘッドバランスのバットはグリップが細くなりがちなため、グリップテープを何重にも巻いて好みの太さに調整する選手が多いです。中村紀洋選手(元近鉄など)は晩年、左手の握力が弱まったためグリップテープで最適なグリップを作り上げていたことで有名です。
松ヤニの活用
手に松ヤニをつけてグリップ力を高める選手も多くいます。特に夏場や汗をかきやすい場面での滑り止めとして活用されています。
グリップエンドのカスタマイズ
グリップエンドの形状をオーダーメイドでカスタマイズする選手もいます。大谷翔平選手のチャンドラー製バットも、グリップエンドの形状にこだわった特注モデルです。
テープの色・デザインにこだわる選手も
プロ選手の中にはグリップテープの色やデザインにこだわる選手も多く、ユニフォームやバットの色に合わせてコーディネートする選手もいます。お子さんのモチベーションアップにも、好きな色のグリップテープを選ぶのはおすすめです。
⑦ 結局どれを選べばいい?
手の大きさとスイングスタイル別におすすめをまとめました。
手が小さい・力がまだ十分でない初心者
→ 細め〜普通グリップ・ストレート型がおすすめです。スイングスピードを上げやすく、バットコントロールがしやすいです。
手が大きい・パワーで打ちたい
→ 太め・フレア型(タイカップ型)がおすすめです。しっかり握ってパワーをボールに伝えられます。
迷っている初心者
→ 普通グリップ・ストレート型から始めましょう。慣れてきたら細め・太めを試して自分に合う太さを見つけてください。
手が痛くなりやすい・しびれやすい
→ 太めグリップ・厚めのグリップテープがおすすめです。衝撃を吸収してくれるため手への負担が減ります。
| 💡 物欲パパのアドバイス:グリップはスポーツショップで実際に握り比べてみることを強くおすすめします。同じ太さ表記でもメーカーによって微妙に異なります。また、グリップテープで後から太さを調整できるので、迷ったら細めのグリップを選ぶのも手です。 |
⑧ まとめ
今回は野球バットのグリップについて解説しました。
- グリップの太さ:細め(スピード重視)・普通(万能)・太め(パワー重視)
- グリップの形状:ストレート型(万能)・テーパー型(スピード重視)・フレア型(パワー重視)
- バランスとグリップは連動している(ヘッド×細め、カウンター×太め、ミドル×普通)
- グリップテープの素材・厚さ・巻き方で握り心地が大きく変わる
- プロもグリップにこだわりを持っている
バットの長さや重さだけでなく、グリップにもこだわることでバッティングが大きく変わります。ぜひお子さんと一緒に、自分に合ったグリップを見つけてみてください!



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