どうも、物欲パパです。
先日の草野球の試合で、相手チームに投手交代が何度もありました。継投策そのものは草野球でもよくある光景です。ただこの日は、そのたびに審判からの指摘が相次ぎました。
- 「勝手にピッチャーを交代しない。タイムを取って申告してください」
- 野手から投手へ:守備用手袋をはめたままマウンドに上がってしまった
- 同じく:サングラスをかけたままマウンドに上がってしまった
相手チームを責めたいわけではまったくなくて、正直「うちのチームでも全部やりそうだな」と思いながら見ていました。プレーに集中していると、こういうことは本当に見落としがちです。今回はこの3つ、投手交代の通告義務と投手の装備ルールをまとめて解説します。
結論:マウンドに上がる前の3チェック
- 投手交代・守備位置の変更は、タイムを取って球審に通告してから。勝手に入れ替わるのはNG
- 投手は手・指・手首に何もつけてはいけない。守備用手袋やリストバンドは外してからマウンドへ
- 投手のサングラスは連盟・リーグによって扱いが違う。軟式(全軟連)は2023年からミラーレンズ以外OKになったが、所属リーグの運用を要確認
指摘その1:「勝手に投手交代しない。タイムを取って申告」
この日一番多かったのがこれです。イニングの途中、ベンチからの指示で内野手と投手がスッと入れ替わってプレー再開、という場面で審判からストップがかかりました。
選手の交代や投手の変更は、公認野球規則5.10で球審への通告が必要と定められています。ベンチから新しい選手が入る「選手交代」だけでなく、すでに出場している野手と投手が入れ替わる「守備位置変更」も同じです。タイムを取り、監督またはキャプテンが球審に「ショートの○○がピッチャー、ピッチャーの○○がショートに入ります」と伝えてから動く。これが正しい手順です。
なぜ通告が必要かというと、理由は明確で、
- 球審が試合を管理できなくなる:誰が投手か把握できないと、準備投球を許可することも、ボークや投球ルールを正しく判定することもできません
- 記録がつけられない:スコアラーは通告をもとに投手成績を記録しています
- 相手チームが対応できない:攻撃側は投手が誰かを前提に代打などの采配を考えています
通告してタイムが解けたあと、新しい投手には準備投球が認められます。裏を返せば、通告しないと準備投球の権利すら宙に浮いてしまうわけです。急いでいても、まずタイム。これだけ覚えておけば大丈夫です。
ついでに知っておきたい:投手⇔野手の行き来には制限がある
頻繁な継投で意外と踏みがちな地雷がもうひとつあります。公認野球規則5.10(d)の規定で、同一イニング内では、投手が一度ほかの守備位置についたら、そのあとは「再び投手に戻る」以外の守備位置移動ができません。
NG例(同一イニング内):
投手A→ファーストへ移動→再びマウンドへ→もう一度ファーストへ…はできない!
野手から投手に戻ったAは、そのイニングを投げ切るか、交代してベンチに下がるかの二択になります。「左打者にだけ投げさせて、また野手に戻す」を1イニングで2往復はできない、ということです。
イニングが変われば行き来の回数に制限はありません。ワンポイント起用を多用するチームは、頭の片隅に入れておくと采配ミスを防げます。
指摘その2:守備用手袋をはめたままマウンドへ
野手から投手に変わった選手が、グラブ側の手に守備用手袋をはめたままマウンドに上がり、審判から「外してください」と指摘されていました。
根拠は公認野球規則6.02(c)(7)。投手の禁止事項として、投手は手・指・手首に何もつけてはならないとされています。ばんそうこうやテープですら審判の確認対象になるくらいで、守備用手袋はグラブ側の手であってもアウト。リストバンドやブレスレット、ミサンガの類も同様です。
野手のときは当たり前に使っている装備なので、これは本当に忘れやすい。「マウンドに上がる=手まわりを全部外す」とセットで覚えておくのがおすすめです。ちなみにこの規則の考え方は「投球に影響を与えるもの、打者を惑わせるものを投手から排除する」というもの。投手のグラブに白色・灰色が使えないのも同じ思想です。
指摘その3:サングラスをかけたままマウンドへ
もうひとつがサングラス。野手のときにかけていたサングラスをそのままに、マウンドで投球練習を始めようとして指摘されていました。
実はこれ、いま一番「過渡期」にあるルールです。軟式野球(全軟連)では、以前は投手のサングラス使用が認められていませんでしたが、2023年からミラーレンズを除いて投手も使用できるようになりました。野手が帽子のツバの上にサングラスを乗せておくことも、同時に認められています。
一方で高校野球では、サングラスは事前に審判員へ申し出て許可を得る方式で、強く反射するレンズは不可。つまり「投手のサングラス」の扱いは所属する連盟・リーグによってバラバラなんです。私たちのリーグのように「投手は外す」運用のところもまだ多いはず。ミラーレンズが打者の目に入るとまぶしくて危険、という理由を考えれば納得の運用です。
前回のバッタースボックスルールの記事でも書きましたが、こういうときの正解はひとつ。試合前や攻守交代の合間に、その日の審判に確認することです。
なぜ投手だけこんなに厳しいのか
3つの指摘に共通するのは、すべて「投手」に関するルールだということ。野手なら守備用手袋もサングラスも自由に使えるのに、マウンドに上がった瞬間にルールが変わります。
理由はシンプルで、投手は打者から一番見られている存在だからです。打者は投手の手元からボールの出どころを追っています。そこにキラッと光るもの、色の紛らわしいものがあれば、それだけで打者は不利になり、危険も増す。だから投手のまわりだけ「余計なものを全部そぎ落とす」ルール設計になっているわけです。そう理解しておくと、個々の細かいルールも覚えやすくなります。
野手からマウンドに上がるときのチェックリスト
マウンドに向かう前の5秒チェック
- タイムを取る(勝手に動かない)
- 監督かキャプテンが球審に交代・守備位置変更を通告
- 守備用手袋・リストバンド類を外す(手・指・手首は何もなしに)
- サングラスはリーグの運用を確認(迷ったら外す or 審判に聞く)
- 通告後に準備投球をしてからプレイ再開
ベンチの誰かがこのリストを覚えておいて、マウンドに向かう選手にひと声かけてあげるだけで、試合はぐっとスムーズになります。
まとめ
- 投手交代・守備位置変更はタイム→球審への通告が必須(規則5.10)
- 同一イニングでの投手⇔野手の往復には制限がある
- 投手は手・指・手首に何もつけられない。守備用手袋は外す(規則6.02(c)(7))
- 投手のサングラスは連盟・リーグで運用差。軟式は2023年からミラー以外OKだが、要確認
どれも悪気があってやることではなく、プレーに夢中だからこそ起きる見落としです。審判に指摘されたら素直に直せばOK。ただ、知っていれば試合を止めずに済みますし、何より相手チームと審判への印象が違います。
打者側の「打席を離れていいのは2回まで」ルールの体験談はこちらの記事で、審判のルール解説シリーズはこちらのまとめからどうぞ。投手がらみではボークの記事も合わせて読むと理解が深まります。
物欲パパでした。(守備用手袋、外せと言われるとむしろ新しいのが欲しくなるのはなぜでしょうね)
※本記事のルール解説は執筆時点の公認野球規則および各連盟の規定・運用に基づいています。サングラス等の用具規定は連盟・リーグによって異なりますので、所属リーグの規定もあわせてご確認ください。



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